カンパグリス 本家本元の植物性グリス
これは墓まで持っていくぞ!
kinoさんの記事の方で既に紹介にあずかりましたが、この度貴重なカンパグリスを頂きました。
記事的には前回の続きになります。
222や変換表のある物差しも同梱してくださったようで、もうホントありがたい限り。感謝感謝です。
よく見たら日付がバレンタインデー・・・でもこれはチョコレートというよりピーナッツバターかな?(笑)
これが本家本元のカンパグリスです。
なんとも感動的なご対面、、我々の世代ではこれを見ること自体が難しいですからね。
kinoさんも
>この様な自転車の歴史の一つとも言える商品
と書いておられますが、まさにその通りだと思います。
こういう歴史的なモノは様々ありますが、やはり実物を見ると違うものがありますね。特に我々のような若い世代の人間は、これ系のモノについては是非とも“実物”を見てみることをオススメします。
ただし、「100の物を見ると10の物がマイナスに見える」という言葉もあったりで。
これまた歴史的なフレームであるC40なんかを一度見てしまうと、今のコルナゴを買おうという気が起きなくなったりして、“実物を見る”という行為はちょっと注意が必要ではあります。個人の思考や思想にもよりますが。
さて、このカンパグリス、まずやることは決まっています。若者諸君、このグリスを見たら、まずは匂いを嗅ぎましょう。
私がモーガンブルーをNRSに持っていった時も、橋本さんはまず最初に匂いを嗅いでいました。カンパグリスとは匂いが特徴なのです。
そして嗅いでみる・・・
ふむ、、甘い甘いと言われていたので、どこかこう・・フルーティな感じを予想していましたが、それ系ではないですね。これは、うーん、なんだろう、どこか石油的な良い匂いがするぞ。しかしこれは植物性と呼ばれるもの・・うーん、よくわからない。
確かに甘いと言われてみれば、そうかもしれないな、という感じ。良いタイミングで我が工房に来た藤原氏も同じようなことを言ってました。一般的に言われる甘いとはちょっと違うかも。
それじゃ、次は触ってみましょう。
ほんとはベアリングに使ってみたいんですが、こんな貴重なグリスをベアリングに使うのはいささか気が引けるというか。プーリーのベアリングなんかに使ってみようかなとは思っています。
あれれ?なんだか触る前から違うぞこれは。質感も違うし色も違う。
やっぱり実物って偉大ですね。こういうのはディスプレイで画像を見てたんじゃわからない。
あれれ?全然違うじゃないか。
もうちょっと拡大をするとこんな感じ。
右が本家本元で、左がモーガンブルー。
いやぁ、全く違うグリスですな、これは。
本家本元が掠れるような感じなのに対し、モーガンブルーは柔らかに伸びる感じなのは画像でもわかると思います。
粘度的にもモーガンブルーの方が柔らかい感じです。本家本元の方は、なんだろう、粘土の感じです。陶芸をやったことがある方ならわかると思いますが、あれで使う粘土みたいな感じです。グリスと言うよりは粘土ですねこれ。色もそれっぽいし(笑)
しかしここまで違うと、モーガンブルーのネーミングに疑問を覚えます。あのCampaとはどういう意味なんでしょうか。カンパニョーロとは関係が無いんですかね。だとしたら紛らわしい字面だな。
そして何が違うのかって問題も。
植物性と言われるカンパグリスは何を使っているんでしょうか。石油系の匂いがしてしまいましたが、そもそも植物性とは一体何なのか。
私もちょっと今は就活で忙しいので、よく調べられておりません。鉱物油をマトリクスで囲ってるわけでは無いんでしょうね。多分。
そう考えてみれば、普通のグリスも一体どんな鉱物油を使っているのでしょう?よくリチウム系とか言いますが、あれはマトリクスの話のはずです。増ちょう剤というやつです。囲われているのはどんな油脂なんでしょうね。
これは勉強することが増えちゃったな(笑)
いやしかし、こうやって実物を見ると本当に感動するものです。
kinoさんからは
>後年に語り継いで頂きたく
と言われましたが、これは任せてください。私もまだ22歳。今年の3月でやっと23歳です。このグリスは20年先40年先も手元に絶対ありますから、おっさんになりつつ各地で布教活動をしましょう(笑)
こういったものはちゃんと受け継がないといけませんね。昔話をすると嫌う若者も居るのは事実ですが、食い付く若者も居るのもまた事実。後者の方をとっ捕まえて伝承していきましょう。
今回もまたkinoさんにはお世話になりました。
ちょっと今回はこちらもお返しをする予定です。モーガンブルーと、ちょっと面白いものを。私も挑戦しようと思ってる分野のものです。
kinoさんご自身は保守的とおっしゃっていますが、まぁ、もしかしたらということで。
ではまた。
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グリス、うらやましいです。知り合いにすごい人がいていいですね。僕は娘さんと同じ学校にかよってました笑
投稿: きょんぺい | 2012年2月19日 (日) 18時27分
カンパグリス
これが使われていた時代は 今の様に書物や情報が充分ではなく
先輩や年長者又は知識人から見聞きして色々な事を覚えました
このグリスが植物性で有ると言うのも 私の場合、頼りにしていた
自転車屋のおやじさんが そう言ったのを記憶しているので有って
カンパがその様に記述している資料などを見た訳では有りません
依って 植物性と言われているグリス と書くのが妥当なのかも
解りませんね
カステさんが確かな資料を見られているなら是非教えて頂きたいです
カンパの歴史書を見てもグリスの記載がされていません・・・
匂い 今回小分けをしている時に私も嗅いでみましたが 油臭いだけでしたね(笑)
でもグリスアップをする時 使ったグリスには甘い香りがします 手持ちの部品を
分解してもう一度確かめてみようかな
それと今回の量でハブのグリスアップが出来るくらいは有るでしょ?
是非使ってみて下さい 3~4000km はそのままで大丈夫です
使い込んだ後 分解してみるのも良い体験だと思います
その時 カンパのグリスは良いよ と言うのが解るのじゃないかな
今後、語り継いで頂くのには 一度は使ってみないとね
今回の分が無くなれば 又考えましょう ではでは・・・
きょんぺいさん
穂乃佳が何時もお世話になっています 仲良くしてやって下さい Kino 拝
投稿: Kino | 2012年2月19日 (日) 22時28分
きょんぺいさん
えっ!?娘さん!?そりゃまた別の意味で凄い(笑) オドロキです(笑)
投稿: kaste(ブログ主) | 2012年2月21日 (火) 11時26分
kinoさん
この植物性と言う記載、海外のフォーラムではリチウム系となっていたりするそうです。と言っても勿論有力な情報ではなく、結局本当のところは全然わからない、というのが実情のようです。これだけ人気の高いグリスなのに不思議ですね。カンパ側から公式発表しても良いくらいなのに。
匂いに関してはおっしゃられる通り、使わないといけないんでしょうね。匂いについての情報はかなりあるようで、誰もが独特の匂いを感じるようです。やはり使わないといけないようです(笑)
>今後、語り継いで頂くのには 一度は使ってみないとね
とのことですが、言われてハッと・・・まさしくおっしゃる通りです。使わずして指の感触だけであーだこーだと言うのもどこか説得力が無いですね。そして大事な匂いも嗅いでみたいですし。
ただ、実験用ホイールに使うのはあまりに勿体無いので、少々高級なハブ、それもカンパハブに使おうかと思います。ちょうどレコードグレードのハブがR1として存在していますし、これに使おうと思います。
貴重なグリスを高級ハブに・・・手が震えますね(笑)
ビビリながらもやってみようと思いますw
投稿: kaste(ブログ主) | 2012年2月21日 (火) 11時33分
KINOさんはじめまして。いつも日記を熟読させていただいております。
日記にほのか先生が出てきた時はびっくりしましたよ(笑、まだ知らなかった)
先生はこんな僕にも蔑視せず遊んでくれるすごい人です。
ありがとうございます。
僕はグリスはニューテックしか使った事ないです。お気に入りです。
投稿: きょんぺい | 2012年2月22日 (水) 23時49分
どうもです。
このグリスに関しては本当に謎ですねw。
成分解析とかしてみたいなぁ…
投稿: M_Fujiwara | 2012年3月 3日 (土) 01時10分
藤原氏
グリスの成分解析については教授との交渉次第ですわ。
教授が古い4130で組まれたツーリング車に乗ってて、「鉄は鉄でもいろいろあるんですよ~」「クロムとかモリブデンとかが添加されてるんだっけ?」「そうです、それこそ教授のところのXRFでやればイッパツですよ」「はっはっは」的なノリになったので、押し切れそうな予感。
投稿: kaste(ブログ主) | 2012年3月 6日 (火) 19時46分